ノエルティル
心理占星術
感想

男は仕事、女は家庭とは限らないから…両親問題を単純化しない(ノエルティル心理占星術の特徴)

 

こんにちは。心理占星術研究会のKyokoです。

2023年3月26日、新里ひろきのノエル・ティル心理占星術『第一部:出生図の分析』、リニューアル版・第二回のライブセミナーがありました。第2回のテーマは『両親問題』。今回も90分という短時間に、理論・実例・参加学習と新里先生のフィードバック、質疑応答とびっしり中身が詰まった充実の内容でした。

 

 ノエルティル心理占星術は『ホロスコープだけから決めつけない』

 

時代と共に加速度的に変化してきた夫婦の役割分担
もちろん、ホロスコープ分析にも影響している

ノエルティル心理占星術で重視されているテーマのひとつに『両親問題』があります。両親との関係でつくられた反応パターンが、その後の人生に大きな影響を与えている例は多いからです。それゆえ、ティル式では、両親の影響を様々な要素から分析していきます。

西洋占星術では、父親の影響、母親の影響、を担当する象徴が分かれていたりします。ティル式でも同様です。ただし、夫婦の役割分担は、時代が進むにつれ変化してきており、特にここ10年の変化は加速度的ですね。

お父さんも家事・洗濯・子育てを分担するのは当たり前、お母さんもフルタイムで働くことが増えてきている。男性も育休をとりやすくなってきていますし、専業主夫という言葉も生まれてきました。

急速にすすむ社会の変化の中、『昔ながらの天体の振り分け』をしていると、お客様の実感と噛み合わないことが増えてきていませんか? 

母が土星を担うこともあるし、父が月を担うこともある。どちらか片方だけというより、ケースバイケースで、どちらも担うほうが自然な世の中です。水瓶座の冥王星時代は「男はかくあるべき」「女はこうでなきゃ」といった、男女の役割分担イメージの縛りが、さらに薄れていくでしょうから「お客様から話を聞いて個別の現状を確認する」必要性はますます増していくでしょうね。

今回の講座で最も印象に残ったのは、社会背景を念頭においてホロスコープ分析やコンサルテーションを行う必要があること。また、男女の役割分担だけに限らず

ホロスコープの配置だけで【両親問題】を決めつけてはならない

と新里先生が強調されていたことですね。

ホロスコープの配置だけで、お客様の現状を決めつけない

は、両親問題に限らない、ノエルティル心理占星術が大切にしている姿勢のひとつなのです。時代の変化をふまえ、お客様のお話を伺いながら、現状に即した象徴解釈をしていきます。

ティル式占星家は運命決定論者ではないのです

ノエルティル心理占星術で分析する両親問題

第一部から既にある『コンサルテーション』への視点

ノエルティル心理占星術マスタープログラムは『コンサルテーション・アストロロジャー』を養成することが前提のプログラムです。それゆえ、ティル式の基礎理論を学ぶ第一部であっても、随所に『コンサルテーションを行うこと』を前提とした視点があり、それが、このセミナーの独自性を高め、内容の厚みを増していると思います。セミナー中に行われる参加学習も、自己理解を深めるだけでなく、カウンセリングを視野にいれた内容です。

多くの占星術講座は「この配置はこういう意味」と教えて終わりますが、新里先生の場合、第一部からいきなり「自分で考えさせる」ことをします。自らを振り返ってみれば「答えはひとつではない」ことがわかるし、象徴表現は年齢を経ることで変わっていくこともわかる。

私たちは常に変化し成長していく存在であり、ワンシーンが永遠に続く静止した絵画のような存在ではないのです。だからこそ、お客様の[今]や[現状]を確認するための『対話』が重要になってくる。

何人かに参加学習の結果を発表していただきましたが、新里先生とのやりとりにより、発表者ご本人だけでなく、参加者全員の気づきも深まったことと思います。

毎度のことですが、参加学習で行うことは、そのまま、コンサルテーションの事前準備にもなると思いました!

 新里先生は効果的なワークを考案する名手です。ぜひ、録画視聴の皆様も、ナマで参加しているつもりになってワークに取り組んでいただければと思います。


 占星術の一般教養があってこそわかる
ノエル・ティル心理占星術の独自性

また天体の解釈については、ノエル・ティル式だけでなく、一般的な解釈についても伝えていただいたところが、旧版との違いだなと感じました。

その理由を考えてみると.....ノエル・ティル先生ご自身が開講されていたノエル・ティルマスタープログラムは、セミプロ、プロしか受けいれていませんでした。つまり、既に占星術にかなり習熟しており、さらに上を目指す占星家を対象にしたプログラムだったのです。

 一方、日本版は、占星術の学習歴が浅い方からプロまで幅広く受講いただいています。それゆえ、ティル式を学ぶ前提となる占星術基盤が弱いケースもあるのです。

初心者は余計な先入観なしにティル占星術を吸収していただける、大きなメリットがあるのですが、ティル式の独自性がわからないというデメリットもあります。 けれども、ティル式の独自性、他の占星術との違いを理解していたほうが、より俯瞰的な視点でティル心理占星術の特徴を捉えることができますし、ティル式に取り組む意義も明確になるでしょう。

それゆえ、新里先生はあえて一般的な解釈についても言及してくださり、ティル式の特徴を際立たせてくださいました。このあたりも、10年間の指導によって見えてきたことの反映だなと思います。 

☞ [第一部:出生図の分析]

  

新里ひろきのノエルティル心理占星術マスタープログラム[全体像]

 

 

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