ハウス間の関係性に着目し、ホロスコープを統合的に分析する【ティル心理占星術の特徴】
こんにちは。心理占星術研究会のKyokoです。新里ひろきのノエルティル心理占星術マスタープログラム『リニューアル版・出生図の分析』第3回のセミナーレポートです!
第3回のテーマは[ハウス支配星間のネットワーク]
ハウスについて学ぶということは、西洋占星術、あるいは、心理占星術の基礎講座じゃないの? 初歩的な内容では? とカン違いしている方も多いですが、全然違います! 講座を受講し終えた方は「高度な内容」だと分かりましたよね。
ホロスコープを統合的に理解する
新里ひろき先生が教える『第0部:ホロスコープの基礎』でもハウスを学びます。では『第0部』と『第1部』の根本的な違いは…
『第0部:ホロスコープの基礎』►各ハウスの象徴理解をハウス毎に深める
『第1部:出生図の分析』►ハウス間の関係性に着目しホロスコープを統合的に分析する。
第0部は象徴を個別に学び、第1部は統合する。この違いは大きいですね。
『第1部:出生図の分析』でも、各ハウス毎に解釈を行いますが、それは、統合的理解の前提をつくるためです。ノエルティル心理占星術は、ホロスコープを1ハウスから順番に読んでいくやり方ではなく、ハウス間のネットワークを統合的に理解していく。
ノエルティル心理占星術は、部分で判断しません。ホロスコープ全体を統合的に理解することを大切にしているのです。だから、第3回のタイトルも[ハウス解釈]ではなく[ハウス支配星間のネットワーク]なんですね。
身体に喩えて言えば、第0部では、身体組織を個別に学ぶ。肝臓や腎臓、大腸や小腸、胃の役割について。一方、第1部では、それら身体のパーツがかかわりあいながら働いている人間のありようを統合的に把握する。
コンサルテーションを前提とした分析
占星術の基礎を学ぶ第0部と違って、第1部は『コンサルテーションを前提とした分析』だなぁと感じました。
人が占星術コンサルテーションを受けるときには、何らかの問題や課題を抱えていることがほとんど。ただし、クライアント自身は、課題や悩みの根本的原因について、自覚がないことも多い。なんだか調子が悪いから、ご相談にいらっしゃることが多いのです。
ノエル・ティル心理占星術では、何が本質的な問題なのか、どこに打開策があるのかを予測し、そこに切り込んでいく。自覚を助け、ほどき、対処法まで提案することで、癒しへとつなげていく。
それは「ホロスコープの部分の分析と解釈の羅列」だけの占星術鑑定ではかなわないことです。部分ではなく統合。ホロスコープを統合的に理解するための分析法と考え方を『出生図の分析』では学びます。
すごい高度な学びですよね! とは言え、第一部での学びは「コンサルテーションを視野にいれつつも、コンサルテーションを学ぶわけではない」。まずは、自分自身への理解を深めることからです。自分のホロスコープにチェックマークをつけて考察することからはじめましょう。
ハウスと支配星から幼少期の経験が
人生に及ぼす影響が見えてくる
ホロスコープを統合的に理解することは、人体以外にも、様々に喩えられます。
たとえば、それぞれ個性的なハウス(家)が集まって街ができる。ホロスコープを統合的に理解するとは、この街全体を統合的に理解するようなものなのだ、とか。
日本ではハウス(house)を『室』と訳しますので、12の部屋が集まって、ひとつの家ができる、この家を統合的に理解するというイメージでもよいですね。
『星は何もしない、物事を行うは人間』
私達は、『星はなにもしない、物事を行うのは人間』というノエルティル哲学をもって、ホロスコープを分析します。だからこそ...
「ホロスコープだけで決めつけず、クライアントに尋ねよう!」と新里先生はおっしゃいます。たくさんのセッションを行ってきたからこそ、人間の地上での象徴の表現のありようは、千差万別である。この現実を御存じなのです。だから、クライアント自身に「今現在、この象徴をどう表現しているのか」を確認するのですね。
講義を聞いていると、新里先生の一言一言に重みを感じます。色々講座を受講するよりも、この講座を繰り返し聞いているほうが、実力がつくようにさえ感じました。
第五部、第六部に進んだ方こそ、この第一部の重要性を実感する、とは、よく伺いますが、今回も第六部を受講中の方から、こんなメールをいただきました。
「第一部だけど高度ですよね! はじめて、旧版を受講したときは、ちんぷんかんぷんだったことを思い出しました! チェックマークをどうやってつけるのか? やってることを追いかけるのが難しかったですね。第4部まで行って、ティル式にだいぶ慣れてきてから、理解・実践できるようになりました。」
再受講している今の感想としては「素晴らしい!」という言葉に集約されるようです。
内容が難しいわけではありません。非常にわかりやすく教えていただいています。けれども、ハウス支配星のネットワーク、およびチェックマーク方式による分析は、心理占星術すべてに共通の理論ではなく、ノエル・ティル先生が発案したティル式ですので、慣れるのに時間がかかって当然なのです。
難しいと感じる理由は、単に技術的な問題だけでなく、ホロスコープとの向き合い方の違いも影響していると思います。従来の占星術には、運命決定論的な語調があります。従来の占星術歴が長ければ長いほど、ティル式の哲学「星は何もしない」という哲学になじむまでに時間がかかると思います。
「木を見て森を見ず」ではなく
「森が見える」ようになる
従来の占星術においては、基礎を学んだ後は、どんどんマニアックな技術を学んでいくこと、細部に入っていくことが上級者であるというイメージがあります。
一方で、ノエルティル心理占星術では、ホロスコープの象徴をまとめあげ、統合的に解釈できること、何が重要なのかを見極められる人が上級者です。この違いは大きいです。「木を見て森を見ず」ではなく「森が見えるようになる」。
ハウス解釈においても同様で、個々の家(ハウス)に釘付けになるのではなく、街を見る。この家とあの家の関係性やネットワークを見ながら、この街で何が起こっているのか、何が問題なのか、そのポテンシャルは何かを見極めていく。
部分から統合へと意識が切り替わるに従い、ノエルティル心理占星術への真の理解と実践がスタートする方も多いでしょうね。新里先生も「焦らずいきましょう」とおっしゃってました。
リニューアル版は、テキストがさらに充実!
テキストには、従来の西洋占星術界の解釈と、ティル式ならではの解釈が対比的に掲載されています。けれども、従来の解釈を否定するわけではありません。実践ではどちらも使っていくのです。
この対比をじっくり見ていくと、どのように「発想を切り替えればよいか」が見えてきます。その切り替え方に、ノエル・ティル心理占星術の個性が出ていて、
コンサルテーションの心構えにもつながるので、何度も何度も、ここに戻り、理解を深めていくといいでしょうね。
「ここ」というのは『第一部:出生図の分析』全体ですね。
リニューアル版は、講座ノート(テキスト)の内容がさらに充実しています。端的なのは変わらずですが、分析のコツまで記載されていて、より理解が深まります。また、サンプルも入れ替えられています。
なので、旧版も新版も、どちらも視聴されると、多くのサンプルを通じて理解がさらに深まると思います。サンプルを分析する際の、新里先生のひとことひとことから受け取るものは大きいですからね。
そして、リニューアル版の良さは、新里先生が話している姿や笑顔が見れることでしょうか。新里先生の佇まいや話し方、発するムードから学ぶことも多いですよ。