『家族の伝承』がもたらす心理占星術家としての成長

2025年4月から、新しい心理占星術系の研究会『家族の伝承』がスタートします。
石塚隆一先生にインタビュー
この研究会では『家族や家系』とホロスコープの関係性について、心理占星術の視点で学んでいきますが、それだけに終わりません。『家族の伝承』は、どんな研究会なのか? リーダーの石塚隆一先生にお伺いしました。
事務局:
数ある洋書の中で、今、石塚先生が『家族の伝承(Family Legacy』を取り上げようと思われた理由は何でしょうか? この書籍の魅力を教えて頂けたらと思います。
石塚:
私は人間の成長は「集団」の中で進むと考えています。
これは、アドラーが全ての悩みは「対人関係」の問題であると言っていることにも関連します。
そして、集団の中での最初の感覚が形成される幼少期に重要になるのが、家族という集団です。
ブライアン・クラーク先生が書いた「Family Legacy」では、必ずしも家族との関係だけを語っているわけではありません。
むしろ、家族との関係のどんな側面がその後の人生のどんな側面に関係してくるだろうか、ということを占星術の象徴を利用して追跡していく洞察に富んでいます。
私がこの本を取り上げようと考えたのは、このような視点が占星術を深く理解していくためにはとても重要だと考えたからです。
成長の「プロセス」を理解するのには必要な視点ですので、ぜひ、みなさんと一緒に深めていきたいと思いました。
事務局:
『家族との関係で培われたパターンが、その後の人間関係に影響する』という視点は、ノエルティル心理占星術と同様ですが、きっとブライアン・クラークさん独自の結び付け方があるのでしょうね。
石塚:
基本的に、心理占星術では、ノエルティル心理占星術に限らず、ほとんどのアプローチで「家族との関係で培われたパターンが、その後の人間関係に影響する」と考えます。
しかし、ノエルティル先生はそれを配置(サイン、ハウス、アスペクトなど)ごとにどんな経験をするだろうか、兄弟関係はどんな風に対人関係に影響する可能性があるだろうか、などというかたちで詳細に深めてはいません。
ノエルティル先生はある意味骨組みを重要視し、削ぎ落として骨格を浮かび上がらせることに力を注いだと考えることができます。
一方、ブライアン・クラークさんは、肉付けの材料をたくさん用意してくれています。
この本で語られている内容の大部分は自分には関係のない要素と感じるかもしれません。
しかし、関係ない要素でも一緒に参加している人々の実感のこもったお話を聞くことで興味を持って理解を深めることができるし、そのような肉付けの部分をじっくり身につけていくことでしっかりした実践的な感覚が身についていくのではないでしょうか。
事務局:
なるほど、ノエルティル先生は、『木を見て森を見ず=細部にひっぱられて、ホロスコープの全体像を統合的に捉えられない』占星家に、『森を見る手法=ホロスコープを統合的に捉える手法』を教えてくださいました。
ただし『木を見る力をつける努力=ホロスコープの個々の象徴への理解を深める努力』は、各占星家の自助努力に任されている。
そして、『木を見る力』が弱いと、応用力に欠け、個々のコンサルテーションの現場で行き詰まりやすいと感じます。
その『ホロスコープの個々の象徴への理解』を『家族関係』という切り口で深めていけるのが『家族の伝承』ということですね。
ノエルティル心理占星家であれば、『家族の伝承』研究会に参加することで、『木と森』どちらも見る力がついて、占星家としてのキャパシティを大きく広げられそうです。
石塚:
さらに、占星家として成長するには、占星術の知識だけでなく、人間についての理解を深めていくことが重要だと私は考えています。
たくさんの人々の実際の人生を、さまざまな角度から象徴に対応させながら実感を掴んでいくことが大切です。
特に、洞察力を深めるには、幼少期のある経験と現在の自分のある特徴など、一見関連しているように見えない側面同士が影響し合っていることを意識的に注目することによって実感し、そのような視点で考える力をつけていく必要があります。
今回の勉強会では、「家族の伝承=Family Legacy」を読むだけでなく、出てくる象徴の解説を、みなさんの実際の経験を関連づけて考察していただき、グループワークで気付いたことをシェアしながら実感的に理解を深めていきたいと思っています。
このような活動を通して、占星家としてだけでなく、人間の成長自体について洞察を深め、日々の生活や他人の理解のために活かしていただけたらと思います。
事務局:
占星家として成長するためには象徴理解だけでなく、人間理解の深まりが不可欠。
『家族の伝承』は、そのいずれもを深めていける研究会というわけですね。
そのために『書籍を読む』だけに終わらず『グループワーク』という形の参加学習を行う。
1)書籍を読む(予習)
2)書籍に対する質疑応答、グループワーク(オンライン)
というステップで深めていきます。
これは『冥王星を癒す研究会』と同じ進め方ですが、この方法はとても効果的だと実感しています。何より楽しいですね。
その他、受講生に対するメッセージがあれば、お願いいたします。
石塚:
この勉強会は、単に本を読み進めていくだけでなく、感じたことをシェアし合うことを重要な学び、そして楽しさの大きな要素にしたいと思っています。
『家族の伝承:Family Legacy』の中には、たくさんの配置の解釈が出てきます。
それらについて、ぜひ、「この配置や解釈は、実際の私の経験とどう適合・関連しているか?」だけでなく、「その経験は、現在の私にどんな影響を与えているか?」とか、「自分が望む未来を創るためには、その経験についてどんな気持ちや意識を向けたらよいか?」などと自問自答してみてください。
そして、勉強会の場で、みんなでそれらをシェアし合うことが、人生について考える力、あるいは、ホロスコープから人生の洞察を得る力につながっていくと私は考えています。ぜひ、そういう勉強会をご一緒につくっていきましょう。
(終)
『家族の伝承』は、2グループですすめていきます
- 4月10日(木)13時スタート:第2木曜昼グループ
- 4月23日(水)20時スタート:第4水曜夜グループ
ぜひ、ご一緒に勉強していきましょう。
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:ノエルティル式ミッドヘブン拡張法だけでなく、サンプルチャートの持ち主の、家族や人生観、その職業を選んだ動機、職業遍歴(成長の足跡)まで深めていくことができます。
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