【第2回】ティル心理占星術・感想レポート(出生図の分析) by MSさん
新里ひろきのノエル・ティル心理占星術『第一部:出生図の分析』受講生のM.S.さんによる感想レポート、Part2です。ぜひ、読んでみてくださいね!
「出生図の分析」の2回目は「天体の定義」と「両親との関係」について。
前半の「天体の定義」は、ノエル・ティル流の心理占星術10天体に対する定義が解説されます。「意味」じゃなく「定義」。
心のどこかの「いや、ここにきて10天体って。」みたいな舐めた考えはしょっぱなから気持ちよく吹っ飛びます。テキストを一部抜粋しますと...
天体は、個人の「心理的機能」そして「欲求・必要なもの」も表わしています。
というように、説明されています。
「心理的機能としての天体」は第1回の「太陽と月の組み合わせ」にも出てきた概念ですが、占星術を、「その人そのものを説明するものではなく、その人の可能性と潜在的発展性、そしてそれらが実現される方法を説明するものである」と考えたティルメソッドでは当然ホロスコープの主要キャストである天体もそれぞれの役割を担うわけですね。
10天体の機能と欲求についての基本的な説明のあとには、個々の天体の欲求がどのように個人のパーソナリティーを形成しているか、著名なハリウッド男優のホロスコープで検証する実例解説がありました。
「半球の強調」、「太陽と月の組み合わせ」、「個々の天体の欲求」という、ここまでで学んだ3つのポイントをステップ・バイ・ステップでチェックしていくのですが、それだけで心理的な構造の主要な部分を把握できてしまうこと、その到達スピード、そしてなによりも明快さに驚かされます。
この講座自体がティル式を最も効率的に学べるように多少整理されているのかもしれませんが、元々ティルメソッドでは「何年もセラピーに通ってやっとわかってきたことを最初のコンサルテーション始まって数分で指摘された」なんて話も珍しくなくて、たしかにこれを極めていったらそういうことも起きておかしくないと思いました。
機能や欲求として天体を捉えるやり方は慣れるまでは意識してやる必要があるかもしれません。
でもそれ自体はそう難しいことではないし、ここを押さえてその個人特有の心の力学や人生を通した発達のパターンが把握できるようになれば、クライアントに対して色々な面で余裕を持ったアプローチが可能になりそうです。
ただ、変なところで象徴が混ざり込んでしまうとせっかくの精度が一気に落ちそうなので、まずは第1回のテキストに出てきた「太陽と月の組み合わせ」や今回の「天体の定義」を正確に覚えないと、と感じました。
後半はノエル・ティル占星術のハイライトの一つであろう「両親との関係」についてです。
土星や月、ノード軸の分析を通して、父親・母親との関係に限らず、家庭という初期環境の状態とそれに対する適応パターン、またそれらがのちに個人の心や人生に及ぼす影響などが続きました。
以前どこかで読んだのですが、ノエル・ティル先生は、逆行土星と父親に関わる問題との関係を、娘さんのホロスコープを調べていて思いついたのだそうです。
彼はその後3年で逆行土星をホロスコープに持つクライアント約1000人を調べ、そのおよそ85%が父親との関係に何らかの問題を抱えていたことを確認し有効性を確信するに至るわけですが、逆行土星の表現パターンの実例が増えて知見が深まっている今、調べたらパーセンテージはもっと上がっているかもしれません。
鑑定の現場でも逆行土星、緊張の強い土星、月やノード軸へのアスペクトから得られる情報はかなり重要かつ的確なものが多いです。
これらはクライアント本人について多くを語ってくれるので比較的カジュアルな鑑定でも必ずチェックしています。とくに土星やノード軸は出生時間がわからないケースでも見ることができるメリットがあり、そこからの会話を糸口にセッションが一気に深まることも少なくありません。
このチャプターについてのレクチャーはかなり詳細なもので、とくに「逆行土星が表す父親のタイプの違いが後にどのような心理的傾向に結びつき得るか」や、「月のアスペクトとノード軸へのアスペクトのニュアンスの違い」に触れた部分、そしてこれは良識や職業倫理とも関連するかもしれませんが「両親問題を分析する上での注意点」などは大変ためになり、また気を引き締める材料にもなりました。
充実しすぎて時間切れ、実習の時間が無くなってしまったのは残念でしたが、配布していただいた「ノート(テキスト)」にぎっしり線引きしたのでしっかり自宅学習したいと思います。
質疑応答のテキストもまた充実していて、リニューアル前と今回の両方受講されている方々からの、10年の経験でより深まったところから発せられる質問にハッとさせられたり、新里先生の明快な回答(たとえば、例外は必ずあるとしながらも基本的にYesならYes、NoならNoと回答して下さるところ)もティル式を初めて体系的に学ぶ私にはありがたいです。
また前回もそうでしたが、ところどころで新里先生が「ティル先生はこういう風に表現しています」「ティル先生はこういう単語を使っていました」とおっしゃるのが、ティル先生を感じられるようでうれしいです。
内容はもちろんですが、占星術界の巨匠の真髄をその素顔を知る方から日本語で教えていただけるのも本当に贅沢なことだと思っています。
( M.S.さん 50代 占星術師 )
M.S.さん、第2回も、素敵なご感想レポートをありがとうございました^^
最後までお読みいただきました皆様もありがとうございます。第3回以降も楽しみにしていてくださいね!
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